「デリバリーを始めたら、ランチのピークに注文が重なって店内が回らなくなるのでは」。Uber Eatsの導入を迷っている飲食店オーナーから、いちばんよく出てくる心配です。
先に結論を書くと、Uber Eatsは店舗側の操作で、注文の受付を一時的に止められます。 忙しい時間は止めて、手が空いている時間だけ受ける。この使い方ができると分かっていれば、導入のハードルはぐっと下がります。
この記事では、小さな飲食店を経営し、FCも展開しているオーナーの立場から、Uber Eatsの「一時停止」「準備時間の調整」の仕組みと、導入前に決めておきたい運用ルールをまとめます。
結論:デリバリーは「暇な時間に売上を足す道具」。忙しい時は止めればいい
私自身、デリバリーアプリの手数料(3割台)を見た時は「高すぎる」と感じました。それでも踏み切れた決め手は、「忙しい時はいつでも止められる」と知ったことでした。
店は、お客さんがいない時間も家賃と人件費がかかっています。手が空いている時間に入る注文は、その時間を売上に変えてくれます。逆に、店内が満席の時間にデリバリーの注文を無理に受けると、店内のお客さんも、デリバリーのお客さんも、両方を待たせることになります。
だからこそ、「止める」機能を使いこなすことが、デリバリーで利益を残すための前提になります。
理由:Uber Eatsには「止める」「遅らせる」の2つの調整手段がある
Uber Eatsの公式ブログ(日本語)では、店舗側の注文管理の方法として、次の操作が紹介されています。
1. 店舗の一時停止
休憩を取りたい時や、一定時間注文を止めたい時は、注文管理の画面右上にある店舗ステータスのボタンから「一時停止」を選び、停止する時間と理由を入力します。これで、その時間は新しい注文が入らなくなります。
2. 準備時間の調整
「止めるほどではないが、少し時間がかかりそう」という時は、注文ごとに準備時間を追加できます。公式ブログによると、時間を追加すると、注文者と配達パートナーの受け取り予定時刻も自動で調整されます。配達パートナーが店先で待ち続ける状態を減らせるのが利点です。
3. 注文の拒否は最後の手段
どうしても作れない注文は拒否もできますが、公式ブログでは**「注文をキャンセルする前に、注文を遅らせるか、注文者に連絡すること」が強く勧められています。** 拒否が続くより、受けられない時間はあらかじめ一時停止しておく方が、店にもお客さんにも親切です。
注意:放置すると自動で止まることがある
海外(オーストラリア・ニュージーランドなど)のUber公式ページでは、注文を受けないまま放置する状態が続いたり、店が忙しすぎると判断されたりすると、店舗が自動で一時停止されると説明されています。手動で戻さなかった場合は翌日の朝6時までに再開される、とも書かれています。日本でまったく同じ動きになるかは確認できていませんが、「通知を放置しない」「受けられない時は自分で止める」を基本にしておくと安心です。
また同じページでは、注文が一度にたくさん入った時に、準備時間を一時的に上乗せする「Busy Mode(ビジーモード)」も紹介されています。日本語の公式ブログにも「注文の一時停止とビジーモード」という動画が用意されているので、導入後に一度見ておくとよいでしょう。
具体例:導入前に決めておきたい「止める」運用ルール
機能があっても、誰がいつ止めるかが決まっていないと、結局ピークに注文が重なります。導入前に、次の3つを店のルールとして決めておくことをおすすめします。
- 止める時間帯を先に決める:たとえば「ランチのピークは原則止める」のように、店内が満席になりやすい時間を一時停止の基本にします。デリバリーを受けるのは、アイドルタイムや雨の日など、店内が落ち着いている時間です。
- 止める人を決める:時間帯責任者が判断して止める、と決めておくと迷いません。「誰かが止めるだろう」が一番危険です。
- 再開を忘れない仕組みにする:一時停止は時間を選んで止められるので、「ピークが終わる時刻まで」のように終わりの時刻を決めて止めると、再開忘れを防げます。
ちなみに、店内で手が空いている時間の注文が効くのは、売る場所が一つに偏っていないからでもあります。売る場所を店内だけに絞ると、天気や季節の波をそのまま受けます。入口が複数あった方が、経営として強いと考えています。
なお、同じブランドでもデリバリーに向く店と向かない店があります。複数店舗をお持ちの方は、店ごとの判断基準をまとめた複数店舗でUber Eatsは全店導入すべき?店舗ごとに判断する4つの基準もあわせて読んでみてください。手数料やメリット・注意点の全体像は、Uber Eats導入は本当に必要?デリバリー代理店経由登録のメリットと注意点にまとめています。
手数料の考え方:止められるから「暇な時間の売上」で比べられる
Uber Eatsの公式サイトに載っている日本の手数料率は、Uberの配達パートナーを使う場合が35%、自店で配達する場合が15%、お持ち帰りが12%です。
この数字だけを見ると、割に合わないと感じるのは自然です。ただ、比べるべきは「店内で売る場合の利益」ではなく、「その時間に何も売れなかった場合」です。忙しい時間は止められる以上、デリバリーの売上は本来ゼロだった時間に上乗せされる売上として考えられます。デリバリーで店を知って来店してくれる、来店して気に入ってデリバリーでも頼んでくれる、という行き来が生まれることもあります。
結論:「止められる」と分かれば、試しに始めてみる価値はある
- Uber Eatsは、店舗ステータスから「一時停止」を選び、時間と理由を入れるだけで注文を止められる
- 止めるほどではない時は、準備時間を追加して受け取り時刻を調整できる
- 放置は自動停止の原因になりうるので、「止める時間・止める人・再開の時刻」を先に決めておく
新しい仕組みは、会議で悩むより1か月試した方が早く答えが出ます。デリバリーも同じで、忙しい時は止めればいいと分かっていれば、まずは小さく始めて、自分の店に合うかを確かめるのが近道です。
この記事では、提携サービスから紹介料を受け取るリンクを含みます。当メディアはデリバリーサービスの登録窓口と提携しており、下のフォームからUber Eatsの登録相談をいただくと、紹介料を受け取ります。登録の相談自体に費用はかかりません。
よくある質問
Q. 一時停止すると、お店の評価や表示順位が下がりますか?
一時停止が表示順位にどう影響するかについて、Uber Eatsの公式な説明は確認できませんでした。公式サイトでは、アプリでの店舗の表示順位は動的に変化し、注文者ごとに異なる場合があるとされています。少なくとも、注文を受けられないのに受付を開けたまま拒否を重ねるより、事前に止めておく方が、お客さんの体験は良くなります。
Q. 一時停止はどれくらいの時間できますか?
公式ブログでは、一時停止の時間を選んで止める手順が紹介されています。選べる時間の細かい選択肢は、お使いの注文管理画面で確認してください。
Q. 品切れのメニューだけ止めることはできますか?
今回確認した日本語の公式ブログには、メニュー単位の品切れ設定の説明はありませんでした。設定方法は、登録時に案内される管理画面やサポートで確認するのが確実です。
Q. 忙しい時に止めるなら、売上はほとんど出ないのでは?
止めるのは店内が忙しい時間だけです。アイドルタイムや雨の日など、店内が落ち着いている時間の注文が積み上がるのが、デリバリーの本来の役割です。都心の方が売上が出やすく、地方は苦戦しやすいという実感もあるので、立地も含めて判断してください。
この記事を書いた人
小さな飲食店を経営し、FCも展開しているオーナー。複数の店舗で、デリバリー・モバイルオーダー・決済端末などの経営ツールを実際に比較・導入・運用してきた経験をもとに、現場で使える判断基準を発信しています。
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