複数店舗オーナーが実際に見直した経営コスト・業務まとめ|デリバリー・決済・厨房清掃
この記事の結論(先にまとめ)
- 開業から6年、複数店舗を運営する中で、私が実際に見直してきた経営コスト・業務は大きく3つ。①デリバリーの手数料構造との付き合い方、②決済手数料と決済比率の最適化、③厨房のグリスフィルター清掃の外部委託です。
- どれも「劇的に儲かる」ような派手な改善ではありません。ただし、どれも実際に自店で試し、効果を実感できたものだけをここに並べています。
- 経営改善は一度に全部やる必要はありません。 1つずつ見直すだけでも、手元に残る利益とスタッフの働きやすさは着実に変わります。この記事では3つのテーマを要点だけ整理し、それぞれの詳しい実体験・比較データは個別記事にリンクしています。気になるテーマから読んでいただければと思います。
著者プロフィール
グルメバーガー専門店「WORLD BURGER」を池袋2店舗・新潟・浜松の合計4店舗(直営・FC含む、2021年開業・6年目)で運営。食べログ全国100名店(2024年・2026年連続受賞)、2026年ジャパンベストバーガー50選出(ジャパンバーガーチャンピオンシップ予選会)など第三者評価も受けている。店舗運営と並行して、Web集客や購買心理学を実践的に活用した店舗づくりに取り組んでいる。本記事も、実際の店舗運営で得た一次情報にもとづいて執筆している。
開業から6年、経営コストを見直してきた振り返り
WORLD BURGERを開業してから6年、池袋2店舗・新潟・浜松の4店舗(直営・FC含む)を運営する中で、正直なところ「最初に決めた業者・仕組みのまま、何も見直さずに続けている」項目がいくつもありました。デリバリーの手数料、決済端末の選び方、厨房の清掃業務——どれも「今のままで問題ないだろう」と後回しにしがちな領域です。
ただ、実際に一つひとつ腰を据えて見直してみると、売上そのものを増やす施策とは別に、「今ある売上・コストの中身を整えるだけで、手元に残る利益とスタッフの負担が変わる」という実感を何度も得ました。この記事では、その中でも特に効果を実感できた3つのテーマを、複数店舗運営の実体験ベースで振り返ります。
経営コスト・業務の見直しは、どこから手をつければいいのか?
結論から言うと、優先順位に絶対的な正解はなく、自店で「一番手間をかけずに、かつ確実に効果を実感できそうなもの」から着手するのが現実的だと考えています。参考までに、私自身が見直した3つのテーマを一覧にしました。
| テーマ | 見直し前の課題 | 見直しの内容 | 効果として実感したこと |
|---|---|---|---|
| デリバリー(Uber Eats等) | 手数料が高いという印象だけで導入・撤退の判断がぶれていた | 店舗ごとの厨房キャパシティ・立地特性に応じて導入店舗を絞り込み、代理店経由での登録サポートを活用 | 「全店舗で導入」ではなく「向いている店舗だけ」に絞ることで、無駄な広告費・機会損失を減らせた |
| 決済手数料 | 決済端末を入れて終わり、手数料の中身までは見ていなかった | 主要ブランド対応端末への統一、手数料が低い決済手段の直接契約、レジ前・卓上でのQRコード掲示 | 特別な投資なしで、手数料が低い決済手段の利用比率を上げられた |
| 厨房のグリスフィルター清掃 | スタッフが閉店後に頑固な油汚れを手洗いしていた | グリスフィルターレンタル業者(ダイフィル)への切り替え | コストは「少し足が出る程度」だが、スタッフの清掃負担がなくなり働きやすさが向上 |
以下、それぞれの要点と、詳しい実体験・比較データをまとめた個別記事へのリンクを紹介します。
1. デリバリーの手数料見直し:Uber Eatsとどう付き合うか
デリバリーは「導入すれば自動的に売上が積み上がる」フェーズはすでに終わっていると感じています。WORLD BURGERでは4店舗中3店舗でUber Eatsを導入していますが、池袋東口店は西口本店と近すぎることと、広告費をかけないと露出が確保できないことを理由に、あえて撤退しました。
- 判断軸は「手数料の高さ」ではなく、ピークタイム以外に厨房の空きキャパシティがあるかどうか
- 近距離に複数店舗がある場合は、デリバリーを1店舗に集約したほうが効率的な場合がある
- 登録は公式サイトから直接申し込むこともできるが、代理店経由だと初期設定のサポートを受けられる場合がある
導入前のチェックリストや、実際にどの店舗で導入・撤退を判断したかの詳しい経緯は、こちらの記事にまとめています。
詳しくはこちら:Uber Eats導入は本当に必要?複数店舗ハンバーガー店オーナーが語る、デリバリー代理店経由登録のメリットと注意点
2. 決済手数料の見直し:レジ前の一工夫で利益率が変わる
決済端末は「主要クレジットカードブランド(JCB・Visa・Mastercard・Amex)を網羅できているか」を基準に選ぶのが最初の一歩です。対応漏れがあると、その場で「使えません」と伝えることになり、単純な機会損失につながります。
- 手数料が低い決済手段(自店の場合はPayPay)について、決済代行会社経由ではなく直接契約を検討する
- レジ前・卓上に使える決済手段のQRコードを掲示するだけで、お客様がどの決済手段を選ぶかに影響を与えられる
- 特別な設備投資やシステム変更をせずに、今日から試せる施策
自店の決済比率(体感値:PayPay約5割、クレジットカード約3割、交通系IC等約2割)や、掲示による変化の実感については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
詳しくはこちら:飲食店の決済手数料、本当に見直せていますか? 4店舗運営オーナーが実践する「端末選び」と「誘導」の工夫
3. 厨房のグリスフィルター清掃業者の見直し:スタッフの負担を外部に切り出す
厨房排気ダクトのフィルターは、営業していれば必ず油汚れが付着します。以前はスタッフが自分たちで洗浄していましたが、正直かなり大変な作業で、精神的な負担にもなっていました。
- 現在は「株式会社ダイフィル」のグリスフィルターレンタルサービスに切り替え、ダクト1台・フィルター2枚交換で月額4,000円
- スタッフ2人で洗浄する人件費と比べると「少し足が出る程度」で、劇的に安いわけではない
- それでも導入して良かったと感じるのは、金銭面以上に、大変な清掃作業をスタッフにさせずに済むという働きやすさの効果
競合7社との比較調査や、業者から聞いた話を裏取りした結果も含めて、こちらの記事にまとめています。
詳しくはこちら:厨房ダクトのグリスフィルター、自分たちで洗ってませんか? 複数店舗オーナーが「ダイフィル」に切り替えて感じたこと
1つずつ見直すだけで、本当に効果があるのか?
はい、効果はあると考えています。ただし前提を正直にお伝えすると、上記3つのどれも「導入した瞬間に劇的に儲かる」ような施策ではありません。決済手数料の見直しは地味なオペレーションの積み重ねですし、グリスフィルターの切り替えもコストは「少し足が出る程度」です。
それでも共通しているのは、「今ある売上・コストの中身を見直すだけで、無理な新規施策を打たなくても手元の利益や現場の働きやすさが変わる」という点です。しかも3つとも、他の2つを同時にやらなければ効果が出ない、という依存関係はありません。デリバリーだけ、決済だけ、清掃業者だけ、というように、自店にとって着手しやすいものから1つずつ進めるだけで十分だというのが実感です。
決済代行会社を乗り換えるタイミングの見極め方や失敗しない手順については、経済産業省の「クレジットカード加盟店契約に関するガイドライン」も参考になります。契約条件(違約金・解約予告期間・自動更新条項)の確認は、どの見直しにも共通して重要なポイントです。
参考:クレジットカード加盟店契約に関するガイドライン(経済産業省)
まとめ
複数店舗を運営する中で実際に見直してきた経営コスト・業務は、デリバリーの手数料構造、決済手数料と決済比率、厨房のグリスフィルター清掃の3つです。どれも一次情報として自店で試した結果に基づいており、「絶対にお得」と断言できるほど劇的な話ではありませんが、着実に効果を感じてきました。
経営改善は、3つ全部を一度に手をつける必要はありません。まずは自店にとって一番気になるテーマ、一番着手しやすいテーマから1つ、詳しい記事を読んでみてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. デリバリー・決済・清掃業者、どれから見直すのが優先度が高いですか?
A1. 絶対的な正解はありませんが、実体験としては「特別な投資が要らず、今日からでも試せるもの」から着手するのがおすすめです。決済のQRコード掲示は追加コストがかからず着手しやすい一方、デリバリーの導入・撤退判断は厨房キャパシティや立地の見極めが必要なため、やや検討に時間がかかります。自店の状況に応じて、着手しやすいものから選んでください。
Q2. 3つとも同時に見直さないと効果は出ませんか?
A2. いいえ、それぞれ独立した施策です。デリバリーの手数料見直しと決済手数料の見直し、グリスフィルター業者の切り替えは、互いに依存関係がありません。1つだけ着手しても、それぞれ単独で効果を実感できます。
Q3. これらの見直しで「絶対に儲かる」と保証されますか?
A3. いいえ、保証はできません。本記事で紹介している内容は、あくまで複数店舗を運営する中での実体験・実データに基づくものであり、業態・立地・客層によって効果の大小は変わります。各テーマの詳細記事には、うまくいかなかった点・断定できない点も正直に記載しています。
Q4. それぞれの詳しい実体験や比較データはどこで読めますか?
A4. デリバリーはUber Eats導入記事、決済手数料は決済端末・誘導の工夫をまとめた記事、厨房清掃はダイフィルへの切り替え体験と競合7社比較をまとめた記事で、それぞれ詳しく解説しています。本記事内の「詳しくはこちら」リンクからご覧いただけます。
本記事で紹介しているUber Eatsの代理店経由登録、および株式会社ダイフィル(INSUKE運営元)のグリスフィルターレンタル等サービスについて、当メディアはそれぞれ二次代理店・代理店として提携関係にあり、登録・成約に伴い紹介料を受け取る場合があります。
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