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飲食店のPOSレジ、実は「無料」で十分なケースが多い。複数店舗オーナーが6社を比較してみた

2026 8/16
経営ツール比較・導入ガイド
2026年8月14日2026年8月16日
モバイルオーダー端末イメージ

「開業準備でPOSレジを探しているが、月額いくらかかるのか、そもそも比較の仕方が分からない」

これから店を出す方も、既に複数店舗を運営していて古いレジの入れ替えを考えている方も、POSレジ選びで最初につまずくのはここだと思います。公式サイトを見比べても「初期費用0円」「月額○○円〜」という表示だけが並び、結局どれが自分の店に合うのか判断がつかない。しかも一度導入すると売上データがそこに蓄積されていくため、安易に選んで後から乗り換えるのは地味に手間がかかります。

この記事では、複数店舗を運営する飲食店オーナーという立場から、経営ラボのリサーチ部が調べた主要6社(スマレジ、Airレジ、ユビレジ、Square POSレジ、Okage POS、トレタO/X)を、「実績・ブランド力」ではなく「コストの安さ」と「機能面」を優先軸にして比較します。

先に結論を言うと、今回は珍しくはっきりした答えが出ています。AirレジとSquare POSレジは、会計・売上管理・複数店舗管理まで含めてPOSレジ本体が恒久的に完全無料です。 月額固定費が発生するスマレジ・ユビレジと比べて、コスト面では構造的に有利だと言えます。ただし「テーブルオーダーやハンディまで最初から一体で欲しい」という店は事情が変わるので、その留保も含めてお伝えします。

目次

POSレジ選びで飲食店が見落としがちな5つの視点

比較表の前に、飲食店がPOSレジに求める要件を整理しておきます。

  1. 初期費用・月額費用の低さ:開業直後や小規模店は固定費に敏感です。ここを見誤ると毎月の利益を静かに削られます。
  2. 無料プラン・無料トライアルの有無:契約前に実際の操作感を試せるかどうか。
  3. iPad等タブレット対応:据置型の専用レジより安価・省スペースで導入しやすいか。
  4. 複数店舗の売上一括管理:今は1店舗でも、将来2店舗目3店舗目を考えるなら、無料の範囲でどこまで対応できるかは大きな差になります。
  5. 飲食店特有の機能が標準か追加費用か:テーブル管理、伝票分割、ハンディ連携などが、月額料金の中に含まれているのか、別料金のオプションになるのか。

この5つを踏まえて、まず比較表を見てください。

比較表:料金・機能・複数店舗対応・向いている規模

※料金は各社公式サイトの一次情報を基準にしています。非公開の項目はその旨を明記していますので、実際の導入額は必ず個別に見積もりを取ってください。決済手数料は本記事では扱いません(別記事「POS決済手数料比較」で詳しく解説しています)。

サービス 初期費用 最安で使える月額 無料プランの範囲 タブレット対応 複数店舗管理 料金透明性
スマレジ 0円(導入サポートは別途要見積もり) 0円(スタンダード、1店舗限定) 基本POS機能のみ、1店舗限定 ○ iPad 有料プラン(プレミアム以上、月額5,500円〜)が必要 ◎ 公開
Airレジ 0円 0円(POSレジ本体は無期限無料) 会計・売上管理・顧客管理・在庫管理・複数店舗管理まで無料範囲 ○ iPad/iPhone 無料範囲内で対応 ◎ 公開
ユビレジ 非公開(要見積もり) 6,900円(税抜)〜(お試し1ヶ月のみ無料) お試し1ヶ月限定 ○ iPad 対応(エンタープライズ相談可) ○ 概ね公開(一部要確認)
Square POSレジ 0円 0円(汎用POSレジは無期限無料) POSレジ本体はほぼ無料範囲、負担は決済手数料のみ ○ iPad 無料範囲内で最大300店舗まで対応 ◎ 公開
Okage POS 非公開(要見積もり) 非公開 記載なし ○ タブレット型 対応(詳細非公開) × 非公開
(参考)トレタO/X 非公開(第三者情報で数十万円規模) 非公開(第三者情報で月5万円規模) なし ○(詳細非公開) 対応(詳細非公開) × 非公開

トレタO/Xについて一点補足します。調べてみると、これは会計だけを行う「POSレジ本体」というより、QR注文・メニュー訴求機能・POS機能を一体化したモバイルオーダーシステムに近い立ち位置でした。累計導入19,000店以上という実績はありますが、第三者情報ベースで見る限り価格帯も他5社とは一桁違うため、小規模個人店が最初に検討する「レジ本体」としては前提が異なります。今回は参考枠として扱いました。

なぜAirレジ・Square POSレジが「明確に有利」と言えるのか

比較表を見て分かる通り、AirレジとSquare POSレジは会計・売上管理だけでなく、複数店舗管理まで無料範囲でカバーしています。これは「無料プランは機能が薄い」という、この手のサービスにありがちな懸念が当てはまらないケースです。

  • Airレジは、初期費用・月額費用・サポート費用のいずれも0円。クラウド型のため、無料範囲内で複数店舗の売上・注文状況をリアルタイムに把握でき、本部システム連携による会計・入出金・精算情報の自動連携機能もあります。1アカウントで最大10,000台まで端末を追加でき、規模が大きくなっても本体側の費用は変わりません。
  • Square POSレジは、導入費用・月額固定費・解約費用のいずれも0円で、負担は決済手数料のみ。1アカウントで最大300店舗まで管理でき、店舗ごとに住所・営業時間・商品ライブラリ・振込先口座を個別設定できます。将来的に多店舗展開を考えているオーナーにとって、この上限の大きさは無視できないポイントです。

一方、スマレジのスタンダードプラン(無料)は1店舗限定で、スマレジ・ウェイター(オーダーエントリー)等の連携も使えません。飲食店として本格運用しようとすると、事実上フードビジネスプラン(月額15,400円、税込・店舗ごと)が必要になるケースが多いというのが実情です。ユビレジも、お試し1ヶ月を過ぎればプレミアムプラン月額6,900円(税抜)〜が必要になります。

固定費ゼロでレジ・会計・複数店舗管理までカバーできるという事実は、開業直後や売上が不安定になりやすい小規模店にとって、想像以上に大きな意味を持ちます。毎月の固定費が1つ減るだけで、資金繰りの余裕がまったく違ってくるからです。

それでも留保はある。飲食特化機能を一体化したいなら話は変わる

ここまで読むと「AirレジかSquare一択」に思えるかもしれませんが、正直に留保も書いておきます。

AirレジとSquare POSレジの無料範囲は、あくまで「レジ・会計・売上管理・複数店舗管理」までです。テーブル管理、伝票分割、ハンディでのオーダー入力といった飲食店特有の機能まで一体で使おうとすると、どちらも別料金のオプションが必要になります。

  • Airレジの場合、テーブルオーダー・ハンディ等は「Airレジ オーダー」という別サービス扱いで、ハンディが月額13,200円〜、モバイルオーダー店内版が17,600円〜と、POSレジ本体とは別会計になります。
  • Square POSレジの場合も、ハンディやキッチンディスプレイシステム(KDS)を使うにはSquare レストランPOSレジ プラスプラン(月額13,000円、税込)への移行が必要です。

これに対してスマレジのフードビジネスプラン(月額15,400円、税込・店舗ごと)は、モバイルオーダー・テーブルオーダー・ハンディ(5台まで)が最初から一体で含まれています。「レジと会計だけまず無料で始めたい」ならAirレジ・Squareが明確に有利ですが、「テーブルオーダーやハンディも含めて最初から一つのシステムに揃えたい」という店にとっては、スマレジのフードビジネスプランが総合力で対抗馬になります。ここは自店の状況で判断が分かれる部分なので、コスト最優先で片付けず正直にお伝えしておきます。

Okage POSは飲食特化機能(コース展開・トッピング対応・飲み放題/食べ放題管理など)が充実していると公式に記載されていますが、具体的な料金が非公開のため、今回の調査では他社との定量比較ができませんでした。導入を検討する場合は、まず問い合わせて自店の規模での見積もりを取ることをおすすめします。

用途別ベスト:あなたの店ならどれを検討すべきか

まず無料でレジ・会計を始めたいなら「Airレジ」または「Square POSレジ」

開業直後、あるいは既存レジからの乗り換えでコストを抑えたい場合、この2社が最有力候補です。どちらも会計・売上管理・複数店舗管理まで無料範囲でカバーしているため、固定費を一切増やさずに導入できます。両者の違いとしては、Airレジは端末上限が最大10,000台、Square POSレジは店舗上限が最大300店舗と、拡張性の見せ方に差があります。どちらを選ぶにしても、決済手数料は別記事「POS決済手数料比較」の内容と合わせて検討してください。POSレジ本体だけを見ればどちらも無料で大差はなく、実運用では決済手数料の方が主要なコスト差になるためです。

テーブルオーダー・ハンディまで一体で欲しいなら「スマレジ フードビジネスプラン」

月額15,400円(税込・店舗ごと)はかかりますが、モバイルオーダー・テーブルオーダー・ハンディ(5台まで、6台目以降1台1,540円)が最初から一つのシステムに含まれています。Airレジ・Squareのように「本体は無料だがオーダー機能は別サービス・別料金」という組み合わせを避け、システムを一本化したい店舗には合理的な選択です。人気No.1と公式に表記されているプレミアムプラス(月額8,800円、税込)は顧客管理10万件・ポイント管理・電話サポートが必要な店舗向けです。

複数店舗のリアルタイム把握を重視するなら「Square POSレジ」

複数店舗展開を見据えているなら、1アカウントで最大300店舗まで管理でき、店舗ごとに住所・営業時間・商品ライブラリ・振込先口座を個別設定できるSquare POSレジの拡張性は頭に入れておく価値があります。フリープランは月額0円のまま、カウンター用POSレジ端末を台数無制限で追加できる点も、店舗が増えるほど効いてきます。

端末上限を気にせず導入したいなら「Airレジ」

1アカウントで最大10,000台まで端末を利用できるため、店舗数や端末数の上限を気にせず導入できます。ただしiOSの仕様上、複数端末から同時に1台のプリンターへBluetooth接続・印刷することはできないという制約があるので、店舗のレイアウトやオペレーションと照らし合わせて確認しておくと安心です。

料金の柔軟性・エンタープライズ対応を重視するなら「ユビレジ」

ユビレジはお試し1ヶ月が無料で、以降はプレミアムプラン月額6,900円(税抜)〜です。レンタルプラン・リースプランなど端末込みの導入形態も用意されており、多店舗展開企業向けにカスタマイズ可能なエンタープライズプランもあります。ただし、プレミアムプランの月額料金に含まれるタブレット台数の上限は公式サイトから明確に確認できなかったため、契約前に必ず問い合わせて確認してください。

小さな飲食店(1〜数店舗)に絞ると、優先すべきは2択

ここまでの整理を踏まえると、「1〜数店舗・固定費をできるだけ抑えたい」という多くの飲食店オーナーが置かれている状況では、コストと機能のバランスで、Airレジ/Square POSレジ(レジ・会計をまず無料で始めたい店)と、スマレジ フードビジネスプラン(テーブルオーダー・ハンディまで一体で欲しい店)の2択に絞り込めます。

どちらが自店に合うかは、「今、テーブルオーダーやハンディが必要かどうか」で決まる部分が大きいです。カウンター中心の小規模店やまず固定費ゼロで始めたい店ならAirレジ・Square、最初からオーダーシステムまで一体で揃えたい店ならスマレジのフードビジネスプラン、という住み分けになります。

Okage POSとトレタO/Xについては、料金が非公開のため今回の調査では公正な比較の土俵に乗せられませんでした。特にトレタO/Xは第三者情報を見る限り初期費用・月額とも他社より一桁高く、小規模個人店向けというより中〜大規模店向けの商材である可能性が高い点は付け加えておきます。気になる方は個別に問い合わせて、自店の規模での見積もりを確認してみてください。

選び方の軸チェックリスト

最後に、比較検討の順番を整理します。

  • まずは固定費ゼロでレジ・会計・複数店舗管理を始めたいか → Airレジ、またはSquare POSレジが候補。どちらも本体は恒久的に無料。
  • テーブルオーダー・ハンディまで最初から一体で欲しいか → スマレジ フードビジネスプラン(月額15,400円、税込)が候補。オーダー機能まで込みで一本化できる。
  • 将来的に多店舗展開を見据えているか → Square POSレジは1アカウントで最大300店舗まで無料範囲で対応。拡張性を重視するなら有力。
  • 端末台数・上限を気にせず導入したいか → Airレジは1アカウントで最大10,000台まで利用可能。
  • エンタープライズ対応や柔軟なレンタル・リース形態が必要か → ユビレジも選択肢に入るが、プレミアムプランは月額6,900円(税抜)〜で無料範囲は1ヶ月のみ。
  • 決済手数料はどう考えればいいか → 本記事では扱っていません。別記事「POS決済手数料比較」を合わせて確認してください。

どのサービスも、公式サイトの情報だけでは自店にとっての実額・実運用が見えきらない部分があります。この記事の比較表とチェックリストを手元に、まずは自店が「レジ・会計をまず無料で始めたいのか」「オーダー機能まで一体で欲しいのか」を言語化した上で、候補を絞って公式サイトや問い合わせで最新情報を確認することをおすすめします。POSレジは一度導入すると売上データがそこに蓄積されていくシステムです。だからこそ、比較の軸だけは最初にきちんと持っておいて損はありません。

よくある質問(FAQ)

Q1. 飲食店のPOSレジで、コストと機能を重視すると一番おすすめなのはどれですか?

A1. AirレジとSquare POSレジです。どちらも会計・売上管理・複数店舗管理まで含むPOSレジ本体が恒久的に完全無料で、月額固定費が発生するスマレジ・ユビレジより構造的にコストが低くなります。

Q2. 無料のAirレジ・Square POSレジには機能面で何か制限がありますか?

A2. 本体(レジ・会計・売上管理・複数店舗管理)は無料範囲で使えますが、テーブルオーダーやハンディ連携など飲食特化のオーダー機能を使うには、それぞれ別料金のオプション(Airレジ オーダー、Square レストランPOSレジ プラスプラン等)が必要になります。

Q3. テーブルオーダーやハンディまで最初から一体で欲しい場合はどうすればいいですか?

A3. スマレジのフードビジネスプラン(月額15,400円、税込・店舗ごと)が候補になります。モバイルオーダー・テーブルオーダー・ハンディ(5台まで)が最初から一つのシステムに含まれています。

Q4. 複数店舗展開を見据えている場合、どちらがより拡張性がありますか?

A4. Square POSレジは1アカウントで最大300店舗まで管理可能です。Airレジも1アカウントで最大10,000台まで端末を追加できるため、どちらも店舗・端末の上限を気にせず拡張できる設計です。

Q5. Okage POSやトレタO/Xは比較対象に入りませんか?

A5. 今回の調査では、両社とも料金が非公開のため定量比較ができませんでした。特にトレタO/Xは第三者情報ベースで見る限り初期費用・月額とも他社より一桁高く、小規模個人店向けというより中〜大規模店向けの商材である可能性があります。気になる場合は個別に問い合わせて見積もりを確認してください。

複数店舗オーナーが実践する経営ノウハウ

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この記事を書いた人

松井大樹のアバター 松井大樹 WorldBurger創業者・オーナー

小さな飲食店の経営ラボ運営者。グルメバーガー専門店「WORLD BURGER」を池袋(2店舗)・新潟・浜松で運営(直営店・FC店を含む、2021年開業)。食べログ全国100名店(2024年・2026年連続受賞)、2026年ジャパンベストバーガー50選出(ジャパンバーガーチャンピオンシップ予選会)。複数店舗の経営に加えて、Web集客・購買心理学の実践知を活かしたマーケティング支援も行っている(経営ツール比較・Web集客/MEO・メニュー心理学の3本柱を軸に発信)。POSレジ・決済・モバイルオーダーといった経営ツールは、実際に自分の店舗で比較・契約・運用してきた経験をもとに、現場で使える判断基準を伝えている。

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